親御さんからよく聞く声があります。

「こんなに教えても、どうしてまだできないの?」

「授業で習ったはずなのに、テストになると解けない」

「勉強がわからないとすぐ諦めてしまう」

そういうことはよくありますよね!

しかし最初は「わからなくて当たり前」だと思います。

そして、「わかること」と「できること」は全く別物です。

「授業を聞いていればわかるはず」と思いたくなりますが、学びはゼロから積み上げていくプロセスです。

子どもが「わからない」と感じるのは、理解力がないからというよりは、新しい知識をまだ自分の中に取り込めていない状態です。

教育現場ではよく、

「わかる」→解説を読んだり授業を聞いて「なるほど」と思うこと

「できる」→自分の力だけで問題を解けること

と区別されます。

子どもが授業中に「わかった」と言っても、テストでは解けないことが多いのは、この二つの段階が異なるからです。理解はできても、定着や応用には練習と時間が必要です。

そしてスポーツと同じで人により必要な練習時間は異なります。

当塾ではできるだけ問題を解く演習に時間をかけるようにしています。

問題を自力で解けるようになるために、その練習を授業で行い、課題で定着させます。また誰でもそうですが、一度できたとしても忘れてしまうので、復習して「思い出す」という作業がとても重要です。

また親としてできるサポートは?ということを聞かれますが以下のようなことを参考にされると良いかもしれません。

〇前回より1問多く解けた、時間をかけてでも自力で答えにたどり着けた、など小さな達成を認める。

〇 「スポーツと同じで、練習しないと身につかないものだ」と繰り返しの必要性を伝える。

〇 「なんでできないの?」という言葉は言わないようにする。焦りやプレッシャーになり、学ぶ意欲を削いでしまう。

早く点を取りたい!と焦る気持ちもわかりますが、結果を急ぎすぎず、少しずつ「できた」を積み重ねていくことが、最終的に大きな成長につながると考えています。

あと余談ですが・・・うちは学習塾なので点数を上げるために「できる」ようになるためのサポートをしていますが、本来の勉強とは「わかる」で十分な場合もある、と思っています。人生に役立つ知識は「わかる」で十分ですし、そのほうが学問も楽しく感じるのではないかなぁと思います。だから「できる」ことも重要ですが、できないからと言って学問を嫌いにならないでほしいと願っています。